怪しい計画のため、部屋掃除中。で部屋の奥の方から「やがて来たるべき愛の世代のため」(相変わらず謎)に買った雑誌「大学への数学」が数冊出てきた。で大学入試問題を見てみると、こんな問題が出ていた。
a+b√2+c√3+d√6=0 (a,b,c,d∈Q) => a=b=c=d=0
うむ、Kummer理論から自明、では何だからもう少し初等的にすると、「[Q(√2,√3)/Q(√2)の基底が1,√3 で、Q(√2)/Q の基底が 1,√2」であることが初等的に示せるので自明。まあこんなのが大学3回生くらいの解答だろうか。で「大学への数学」を見ると、a+c√3=-√2(b+d√3) として両辺を2乗して…、とこんな感じで、実に巧みに計算だけで済ませている。
こんなのもあった。「21/3 を根とする有理数係数多項式は X3-2 で割り切れる」。これも X3-2 が 21/3 の Q 上の最小多項式だから自明。でまたまた「大学への数学」を見てみると、21/3 が無理数であることを使って巧みに解いている。
うーむ、出題者が何を考えて出題しているかわからんが、体論なしでこんなのが出来ると思って出しているんだろうか?ちなみに後者に解答を付けているのは小生の母校の後輩だったりする(話したこともある)んだが、高校数学だけでこんなのを解いてしまうのはある意味天才だ。が、大学3回生にはこんな解答を書いてもらいたくないな。演習問題に出してどんな解答を寄せてくるか見てみるか。(と書いた以上定期試験には出せないが。)