今回の出張は、中央大学理工学部で行われている“Encounter with Mathematics”に参加するため。題目は「モジュラー曲線の数論と幾何 -その魅力と百瀬さんの足跡と-」と付けられている。百瀬先生は2年前に58歳という若さでご他界されたのだが、我々前後の早稲田関係者は百瀬先生に足を向けて寝られない。百瀬先生が早稲田に客員教授でいらしていたころに、我々のため講義をやってくださり、セミナーまでやっていただいた。今の我々の研究は、その時の百瀬先生の講義とセミナーに触発されたものが多い。いやさ「触発されたものばかり」と言ってもいいくらい。で当時の小生の脳みそでは全く理解できなかった講義だが、今回のスピーカーの皆様はおかゆをなお噛んでふくめて話してくださったので、「あー、あれはこういうことだったのか」とわかった気がしてうれしかった。
先生のお子様は「たかあき」君と言う。聞いたときに「何と悪い名前をつけたか」と思ったのだが、今日は大学の先生方のしゃべる講義をメモを取りながら一生懸命聞いておられた。彼は数学者になってくれるか。なって欲しいな。まあどうでもいい話だが、誕生日は1月9日らしい。1月生まれと伺った時に、名前も誕生日も一緒とはろくなものにならんぞ、思って先生に聞いたら、9日だと聞かされてほっとした。今日はその「たかあき」君もお見えになっていた。よし、それがわかるようになろう。是非我ら数学の世界へ!
レクチャーが全部終わった後は、恒例のワインパーティー。偉い先生とか百瀬先生の前後の先生方、百瀬ゼミの学生のスピーチあり。これが大変面白かった。中には「あー、今こんなことやったら大変なことになるな」というものもあったが。まあ何にしても有益な二日間だった。「みっちゃん」に感謝。
さて問題は帰り道。今日は東京ドームでジャイアンツ vs. カープ。終わった時に駅に行ったらえらい目にあうぞ、と思ったが、三田線の春日駅から乗り込む人はそう多くないらしく、すいていた。で面倒だから日吉まで乗ってしまった。とちゅうジャイアンツのユニホームを着た数人組に出会ったので、野球の結果を聞いてみた。ジャイアンツの勝ちだという。関西にいたら思いっきり悔しがるところだが、ここは東京。「よっしゃー」と心にもない叫び声をあげて難を逃れた。しかしジャイアンツのマジックナンバーは確実に減っている。ドラゴンズはもうCSモードに切り替えたんだろうか?
最後に成りますが、百瀬先生のご冥福をお祈り申し上げます。